archivist_kyoto の雑記帳

ネタを考えるための雑記帳です。 NO HUG NO LIFE

現代思想2018年12月号 特集=図書館の未来 に関するメモ

はじめに

心覚えのメモ作ってたら、なんか「出しとこうか」という気になった。
なので、単にメモ並べたものになってる。
実は逆から読んでる。なぜ逆から読んだかはわかる人にはわかる。
そして、このメモでも意図的にオミットしてるものはあります。興味ないというか、その論じ方では意味がない
 

全体への註釈

個人的にはこのメンバーであっても無意識に/意識して「公立図書館=公共図書館」って言ってるのが気になる。概念の位相が違うよね。法にもそうはなってないよね。それこそ単なる慣習だよね
あと、みんなしてNYPLをひいてくるのが面白かった
この短時間でみんなよくやるなあ、というのが正直なところ。なんなんだろう…
 
 

岡本

p.9:初手に丸山もってくるのは、彼こそ戦後民主主義の子かもしれん、と思わされた。あ、自分で「伝統的」言うとるな

あと、理念的に振り切ってるとはいえ、「市民」をちょっとてこにしすぎとは思った。僕ならどういうかなあ。そりゃ大昔に「それは根拠のない「虚妄」ではない。われわれは京都の潜在力に日々驚かされているのだから」とは書いたが、ちょっと深度が違う気がした
 

猪谷・鎌倉

さすがに手広くいろんな事例がならぶ。今の図書館とその議論を知る手引きとして最適
ただちょっと食い足りなかった感じ。なんだろう「場として」段階にとどまるというか。ちょっと考える
 

嶋田

瀬戸内の周到な取り組みが広く知られることに意味がある
p.32:体験と消費の対比は、僕も同じ問題意識
p.36:ここいい「然らば、東京以外の地域は、東京という歪な偏在の上にる果実を甘んじて甘受するとともに、その影響を出来るだけ少なくしていく地域の取り組みを速やかに行うべきである。」
最後がすごく現代思想に寄せてる感。嶋田さんもとからそんな感じかもだけど
 

p.41:ジェントリフィケーションという観点で、「公共」圏の課題とCCCの戦略とを重ねたのは見事。そう、実は彼らとわれわれには密通関係があるのだ。その認識からスタートしましょう。
p.45:蔵書構築の苦労を出版内容の変化とあわせて語った最後に「図書館の外部でレイシャルハラスメントやヘイトスピーチに反対する市民的責務があることを確認しておきたい」は超重要。なんというか、どうしたの?という発言をする図書館員も実はたくさんいる
p.50:可能性はあるけど当事者も政策的にも毀損するんじゃないの。という〆。そのうえで住民の関与を求めるけど、さて、その投げ方は難しいな
 

高橋

ここまで全部が明るい話を読むと、僕の性格がいかにひねてるかわかってよいです。
なお、p.56「図書館は公共施設である」は認識を確認したい。閉じられた研究図書館やプライベートライブラリの存在をオミットするんだろうか? 
 

小川

「入り口としての図書館」は良いフレーズ。彼とはいずれ話をしてみたい
p.66:場としての図書館論とTSUTAYA図書館の関係の指摘から知的探求の話へつなぐのが良い感じ。そのうえで僕の構造では落ちてしまうマイノリティの話がアートを媒介に入るのがよい
 

鈴木

これは、映画を視なきゃと思わされる。そして図書館と政治、という、本来正面から論じられるべき課題に期せずして論及されている。p.72とか
 

川崎

お誕生会とか個別の話はすごく面白い。でも空間の話はどうしても物理の本と結びつくのか。公立にも移動図書館の話になってるし。最後のMWU電子図書館の話と懸隔がある気がする
 

大学なんだけどすごく物理の本展開でびっくりする。新施設のコンセプトがそうだからなんだろうけど。でもp.107の「本を保存する図書館と本を使う図書館のあいだには相反するものがあって」とあるのは良かった
 

中村

端的にまとめてるが、p.111でデータのオープン化に、p112でオープンサイエンスに言及しているのが重要。大学図書館がその場に、さまざまな形でなりうる、と
 

今井

p.119:アーカイブ機能への言及は非常に重要
p.120:あれね。プラスな書き方だけど、大きな状況で学校図書館を考えましょう、というメッセージがありますね
 

呑海

僕がすごく苦手な分野。改めて学ぶことばかり
p.134:認知症にやさしい、ということはすべての人にやさしい、という論点。アクセシビリティの話と共通する。それは当事者以外にとってもそう
 

鎌倉

311以降(本当は117以降であるべきだったけど)、あらゆる施設・機能で必要になった、事前の備えと、事後の活動の必然性の図書館バージョンとして読まれるべき
 

長尾

図書館の歴史、僕は近代以降で説いても良いと思ってるので、粘土板からやらんでも、とは思った。一般雑誌向けではあるが
p153:にも拘わらずメディアの変遷とサービスの変化、利用者層の拡大を適切にまとめるのはさすが。僕だと散らかる
p156-157:ここの個人的体験からの展開と図書館のアーカイブ機能(この単語は使ってないけど)への言及はすごくいい。ちょうど見開きだし授業で使える感じ。これで最低90分は話せる
 

高野

p.160:書架・トークン(本)・目次・本文とwebの対比、そして乱雑さの重要性の指摘はらしい感じ。そして連想検索と想へ展開
p.171:行論的に飛躍あるけど最後にデジタルアーカイブへの期待を書くのは流石。絶対に入れるべき/入ってるだろうと思って僕はそっちのネタを選択しなかった